
O脚矯正の効果的なストレッチとメカニズムについて
美脚と荷重線の関係についてですが、膝に一番負担のかからない姿勢とは、足にかかる荷重線が膝関節の中心を通る事が理想です。しかし、O脚では、膝関節外側に荷重線が通り、X脚では膝関節の内側に荷重線が通ります。その為、膝関節に摩耗や変形・痛みが生じます。膝関節には関節軟骨というものがあり氷のように滑り易いと言われているほど、関節の円滑性に重要な役割があります。それがすり減ってしまう・ひび割れてしまう事で、その部分に荷重線を避けるために、O脚やX脚になってしまいます。
そもそも、O脚などの膝が変形してしまう原因として関節軟骨の損傷によるものと述べましたが、関節軟骨が損傷する原因として周囲の筋力低下や過度な膝関節の負荷が挙げられます。特に膝関節は骨盤や大腿骨から始まる大きな筋肉がついており、それは膝蓋骨と呼ばれるお皿に停止しています。また後面に関しても下腿の細い骨についており、力学的によく使われる強い筋肉の影響を受けやすい構造になっています。
O脚についての考察ですが、O脚は荷重線が外側に移ることで生じます。つまり、大腿の外側の筋が力学的に優位に働いており、内側の筋は働き辛い環境にあると言えます。また、O脚は下腿・足部の影響も受けやすいので、O脚により足部や下腿が内側に偏移している事がさらに悪循環にさせる原因とも呼べます。O脚矯正としては、大腿は内側方向に誘導し、膝関節はやや内に捻じりながら内に寄せ、足関節は外側方向にストレッチする事が有効とされています。
O脚矯正は、理想的な位置を固定するだけでは疼痛を助長させてしまう危険性もあります。先述した通り、結果的には骨と軟骨の変形により生じるものですが、その背景には筋の力学的な影響に強く左右されています。その為、O脚矯正においてのポイントは筋のゆとりを作る事が重要となります。好発部位というものがあるので、そこを重点的にストレッチする事が大切です。
O脚矯正において重要な筋とは、大腿では大腿筋膜張筋・殿筋群・大腿四頭筋・二頭筋・内転筋群の働きを円滑にする事が大切です。また、下腿では腓骨筋群・下腿三頭筋のストレッチを行う事が重要です。方法としては、太腿を内に寄せる・外に開く、足首を内に捻じる・外に捻じることで筋肉が伸張されます。強度としては10を痛いと感じる場合、6くらいの強度が適していると言われており、回数は10回~15回を目安に1回を15秒くらいかけて行うのが良いとされています。